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働く環境と制度

一人ひとりの成長と幸せを願って 総務部人事課課長 近藤宏之

社会に貢献する人を育てる

2018年12月現在、東郷製作所では本社単体で800人を超える社員が働いています。会社にとって、すべての社員が大切な家族。1881(明治14)年の創業から今日に至るまで、長い時間をかけて脈々と培ってきた企業文化に大きな変化はないと感じています。昭和42年に制定された経営基本方針には、現在も通用するとても良いことが掲げられているのですが、中でも私が好きなのが、「広く有能な人材を求め、育成し、企業の恒久的な繁栄の礎とする。」「職場からはなれたならば、豊かな人間性とすぐれた知性で楽しい家庭を築き上げ、もって社会に貢献する。」この2点です。こうした考えが、人材育成や福利厚生といった様々な働く環境と制度に表れています。

プロフェッショナル人事制度と人材育成基本プログラム

当社の人事制度は一本化されており、全員が仕事のプロを目指すプロフェッショナル人事制度を採用しています。これは、大卒者も高卒者も関係なく、入社後は全員が公平に切磋琢磨して成長できる、とても良い制度だと思います。入社後は、人材育成基本プログラムの考え方のもと、10代、20代の若手社員からベテランまで、様々な社内教育の機会があります。人材育成の基本はOJTになりますが、集合教育の機会を通して行う意見交換の場が、人間性を高める良い機会になればと思います。なので、新入社員教育や階層別教育の機会では、「職場からはなれたならば、豊かな人間性とすぐれた知性で楽しい家庭を築き上げ、もって社会に貢献する。」という部分を意識して、会社での学びが、家庭や地域でのコミュニケーションに役立てられるよう、意識的に声をかけるときもあります。私生活の充実が、仕事にも良い影響を与えることは明らかで、仕事が順調であれば、私生活も充実する、すべての社員がこの良い循環を築いてほしいと思います。

定年退職後も安心して生活を送っていただくために

こうした家族的な雰囲気が色濃く残るため、当然離職率は低く、毎年多くの方が定年退職を迎えます。最長で勤続50年表彰となる永年勤続表彰制度など、長く勤めるメリットは多くありますが、中でも定年退職を迎えられる方の支えとなっているのが、退職金制度であると思います。多くの会社にも退職金制度はあると思いますが、当社が採用する確定給付企業年金には「運用リスクを社員に負わせてはならない」という、会社の強い意志が反映されています。日頃お世話になっている信託銀行の担当の方からは、「御社ほど手厚い退職金制度を運用されている会社は、私は見たことがありません。」と言っていただけるほどですので、他社の状況は詳しく知りませんが、とても恵まれた制度なのだろうなと感じています。経営環境が厳しい時代に逆行しているかもしれませんが、こうした制度はこれからも大切にしていきたいと考えています。

働きやすい職場環境づくり

会社人生の中では、様々な事情を抱えて働かれる方がいらっしゃいます。ご自身にハンディキャップを抱えられる方や、育児・介護等、家庭の事情で働く時間が制限される方もいます。障がい者雇用への取り組みや、育児・介護休業、短時間勤務などの制度についても、法改正への対応だけでなく、労使協調して改善に取り組んでまいりました。中でも、私がお勧めするのが勤務時間を選択できる短時間勤務制度です。子育て世代の方にとって、ご自身のキャリアを築くことと子育ての両立は、切実な問題で、家庭の状況も一人ひとり異なるものと思います。以前は、一律9時から16時の6時間勤務でしたが、現在は8時から17時の間で、6~7時間半の勤務時間を選択できるようにしました。この制度により、選択次第では通常の短時間勤務の方より早く帰宅することができ、低学年のお子様を抱える家庭にとっては、子育ても充実させながらやりがいを持って仕事に取り組めるのではと思います。

創業150周年に向けて

東郷製作所では2030年に迎える創業150周年の節目に合わせ「挑戦」「感謝」「連携」をキーワードとした新しいビジョンを策定いたしました。ここでいう「感謝」とは、今、ここで企業活動ができていること、この会社で私たちが働けていることは、社内・東郷グループの仲間、仕入先様、お客様、地域の皆様のおかげであることを表したキーワードです。3つのキーワードの中で、私が最も好きな言葉です。
私たちの先輩方が、働く環境と制度を育んでこられたことに感謝するとともに、それを受け継ぐ私たちは、さらに魅力ある会社へと成長させていく責任も感じています。2030年には、私も後輩へとバトンタッチする頃を迎えますが、これから入社してくる皆さんとともに、「夢」の実現に向けてチャレンジしていきたいと思います。

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